事例紹介
ひとつひとつのマーケティングツールに明確な意図や目的を持たせることで、施策全体のパフォーマンスは向上します。私たちは、施策そのものをデザインの対象と捉えることで効果の最大化に努めています。
この事例のリーフレットは、目的をリード獲得のフックとして絞り、後ろに控える他のマーケティングツールとあせて活用することで施策効果が最大化されるよう設計されています。
リーフレットのデザインプロセスを、行動設計と情報設計の視点からご紹介いたします。
最初の依頼内容は、医療従事者が集まる展示会やセミナーで利用されている、運用から数年経ってしまったリーフレットを格好良くデザインし直すことでした。
それを行うこと自体はデザイナーにとって簡単な課題です。しかし、企業活動はわずか数年で変化することや、その活動にあわせてマーケティングツールもアライメントし続ける必要があることを忘れてはいけません。
単にビジュアルデザインを作り直すのではなく、ツールの利用シーンやそこで展開される一連のプロセスを観察し、そのツールが企業活動をしっかりサポートしているのかを洞察し、本当に解決するべき正しい問いを見つけ、課題解決するために必要となるデザインを正しく適用させています。
この事例の課題は、「効率良くリード獲得を行う」ためにリーフレットをデザインし直すことです。
リードを獲得するためには、見込み客に対して段階的なアプローチをする必要があります。既に多くのマーケターが認知しているように、現在の購買プロセスにおいて一度のタッチポイントで購入までいたるケースはほとんどありません。見込み客とは連続的に接点を持ち続け、段階的に理解や共感を深めていく仕組みを作ることが重要となります。
逆に、最初のタッチポイントで商品やサービスの素晴らしさをすべて語ることも難しいものです。関心の薄い商品やサービスのアピールを延々と聞かされる。これでは正しい理解を促すことは困難です。
リード獲得のプロセスにおいては、見込み客との適切なタッチポイントを定める行動設計と、タッチポイント毎に必要な情報を配置する情報設計を行うことが有効なアプローチとなります。
行動設計では、リード獲得プロセス上に存在するタッチポイントを認知・興味、理解・共感、商談の3つに分け、それぞれのタッチポイントに必要となるツールと情報を再整理しました。この段階で、これまでのリーフレットには理解・共感の内容が多い反面、認知・興味を促すための情報は少なく、初期段階の接触ツールとしては不十分であることがわかりました。
情報設計では、行動設計で得られた示唆をもとに、リーフレットに本来備わるべき情報を再設計しました。見込み客から認知・興味を引き出すためにはどんな情報が必要かを考えます。初期段階の接触では、提供する商品やサービスに対して見込み客が「良さそう!」と感じてもらうことが必要です。早い段階でモチベーションを高い状態に置き、後に続くタッチポイントに引き継ぐことができれば、より多くの理解や共感を得られ、結果的に確度の高い見込み客の獲得に繋がります。
それまで紙面の大部分を使っていたシステムの機能訴求を大幅にカット。代わりに、システムを導入した際のベネフィットやメリットを、見込み客の視点で訴求するコンテンツに変更しました。そうすることで、見込み客の具体的なターゲット像である実務担当者が社内に持ち帰り、決裁者に導入メリットを伝える際に、ポイントを押さえて報告することが可能となります。
また、これまで掲載されていた機能訴求についてはシステムのポイントのみに内容を絞り、詳細部分の説明はあとに控えるタッチポイントへ受け渡すように設計されています。これは、より多くの見込み客と直接コミュニケーションするシーンを作るための工夫です。紙面や画面を通して一方的に情報を発信するのではなく、お互いにコミュニケーションを取り、導入ハードルを取り除いていくことがシステム導入への近道となるからです。
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